- せっかく買った香水、お昼にはもう香りが消えている…
- お店で見る『EDT』『EDP』、どっちが自分に合うのか分からない
- 香りが強すぎて、職場で迷惑じゃないか心配…

そのお悩み、実は香りのラベルに記された「種類」を知らないことが原因かもしれません。100種類以上の香水を試してきた香水男子の僕が断言しますが、この記号こそが香水選びの「設計図」なんです。
この記事では、最も身近な「EDT」とは何か、そしてEDPとの決定的な違いをシーン別に徹底解説。読み終える頃には、もう香水選びで失敗することなく、自分のライフスタイルに完璧にマッチする一本を自信を持って選べるようになります。
結論は、「良い香り」を選ぶのではなく、TPOに合わせた「香りのタイプ」を選ぶこと。それが、あなたを最高に輝かせる香りのまとい方です。
香水EDTとは?まず知っておきたい持続時間と香りの特徴


香水のボトルや説明書きで、当たり前のように目にする「EDT」という3文字のアルファベット。これが一体何を意味しているのか、ご存知でしょうか?実はこの記号の意味を知るだけで、香水選びは驚くほど簡単で、楽しくなります。
ここでは、EDTの正式名称やどんなシーンで活躍するのか、そして気になる香りの持続時間について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
EDTは「オードトワレ」の略で日常使いに最適な香水
EDTとは、フランス語の「Eau de Toilette(オードトワレ)」を略した言葉です。「Eau」は水、「Toilette」は化粧や身だしなみを意味し、直訳すると「身づくろいのための水」といったニュアンスになります。
その名の通り、まるで化粧水のように気軽に全身にまとい、香りを楽しむ文化から生まれました。
香りが強すぎず、ふんわりと軽やかに広がるのが最大の特徴です。そのため、オフィスや学校、友人とのランチといった日中のどんなシーンにも自然になじみます。香水初心者の方が最初の1本として選ぶのにも最適ですし、TPOを気にせず使える万能な香水として、多くの人に愛用されています。
賦香率(濃度)と持続時間の目安【3〜4時間】
香水の種類は、アルコールに溶かしている「賦香料(ふこうりょう)」の濃度、つまり賦香率によって決まります。この賦香率が高ければ高いほど、香りは豊かで長持ちします。
オードトワレ(EDT)の賦香率は5~10%が一般的です。この濃度により、香りの持続時間はおよそ3〜4時間が目安となります。たとえば、朝家を出る前につければ、ちょうどお昼休憩の頃には香りが穏やかになっています。
ほのかに香りが残る程度なので、午後から気分を変えて別の香りを付け直す、といった楽しみ方もできます。強すぎず、短すぎない絶妙な持続時間が、オードトワレが「日常使いに最適」と言われる理由です。
【徹底比較】香水EDTとEDPの違いとは?シーン別の選び方まで解説


「EDT」と「EDP」、香水選びで必ずと言っていいほど目にするこの二つの表記。名前は似ていますが、香りの楽しみ方は大きく異なります。この違いを知ることが、あなたにぴったりの一本を見つける一番の近道です。
ここでは、両者のスペックをシンプルな一覧表で比べた後、どんな人に、そしてどんなシーンにそれぞれが向いているのかを、具体的に掘り下げていきます。
一覧表で一目瞭然!EDTとEDPのスペック比較
言葉で説明する前に、まずは全体像を掴んでみましょう。EDT(オードトワレ)とEDP(オードパルファム)の主な違いを以下の表にまとめました。
比較項目 | EDT(オードトワレ) | EDP(オードパルファム) |
香りの持続時間 | 3〜4時間程度 | 5〜7時間程度 |
香りの強さ | 軽やか・ふんわり | 深みがある・しっかり |
賦香率(香料の濃度) | 5〜10% | 10〜15% |
おすすめのシーン | 日常、オフィス、カジュアル | デート、パーティー、特別な日 |
価格帯の傾向 | 比較的、手頃 | やや高価になる傾向 |
このように、香りの濃度と持続時間が二つの大きな違いです。EDPの方が香料を多く含んでいるため、香りがより長く、深く続きます。
あなたはどっち?EDTがおすすめな人と利用シーン
EDT(オードトワレ)は、その軽やかさから「香りをまとう」というよりは「香りを添える」という表現がしっくりきます。以下のような方に特におすすめです。
- 香水初心者の方
香りが強すぎないため、自分も周りも心地よくいられる入門編として最適です。まずはEDTから香水に慣れていくのが良いでしょう。 - 職場や学校で使いたい方
周囲に配慮が必要な場面でも、ふんわり香るEDTなら嫌味なく清潔感を演出できます。「あの人、いつもいい香りがする」と思われるような、さりげない香り立ちです。 - 日中に気分をリフレッシュしたい方
持続時間が比較的短いため、お昼過ぎや仕事終わりに香りを付け直して、気分を切り替えたい時にぴったりです。
こちらもチェック!EDPがおすすめな人と利用シーン
EDP(オードパルファム)は、香料の濃度が高く、香りの物語をじっくりと楽しめるのが魅力です。「自分の個性を香りで表現したい」と考えるなら、EDPが最適です。
- 香りを1日中、持続させたい方
朝つければ、夕方から夜まで豊かな香りが続きます。付け直しの手間が省けるので、忙しい一日を過ごす方にも向いています。 - デートやパーティーなど特別な日
華やかな場面では、EDPの深みのある香りがあなたの存在感を際立たせてくれます。特別な日の思い出を、香りと一緒に記憶に残すことができます。 - 秋冬のファッションに合わせたい方
ニットやコートといった重厚感のある服装には、EDPのしっかりとした香りがよく合います。季節感に合わせたトータルコーディネートが楽しめます。
香水EDTの魅力を引き出す付け方|NG例や上級テクも紹介


お気に入りのオードトワレ(EDT)を見つけたら、次はその香りを最大限に楽しむための「付け方」をマスターしましょう。せっかくの素敵な香りも、付け方一つで印象が大きく変わってしまいます。
ここでは、香りを最大限に楽しむための基本から、意外とやってしまいがちなNG例、そして周りと差がつく上級テクニックまで、ステップバイステップでご紹介します。
基本となる付ける場所とプッシュ回数
まずは、香りが最も効果的に広がる基本の付け方を覚えましょう。ポイントは「どこに」「どれくらい」付けるかです。
- 付ける場所:体温が高い「脈打つ場所」がおすすめ
香りは熱によって気化し、立ち上る性質があります。そのため、手首やうなじ、耳の後ろ、ひじの内側といった、皮膚が薄く体温が高い「パルスポイント(脈打つ場所)」に付けるのが効果的です。動くたびに、あなた自身の体温で温められた香りが、ふんわりと自然に広がります。 - プッシュ回数:1〜2プッシュで十分
オードトワレの軽やかな香りを楽しむには、合計で1〜2プッシュが適量です。例えば、「手首に1プッシュ」もしくは「左右の手首に1プッシュずつ」といった具合です。付けすぎは「香害」と言って周りを不快にさせてしまうこともあるため、「少し物足りないかな?」と感じるくらいが、実はちょうど良い香り方です。
香りを台無しにするNGな付け方
良かれと思ってやっていることが、実は香りの魅力を半減させているかもしれません。以下のような付け方は避けましょう。
- 手首をゴシゴシこすり合わせる
香水を付けた後、両手首をこすり合わせるのは最もやりがちなNG例です。摩擦によって香りの繊細な粒子が壊れてしまい、本来のトップノートが飛んで香りが変化してしまいます。付けた後は、こすらずに肌に優しくなじませるか、自然に乾くのを待ちましょう。 - 汗をかきやすい場所に直接付ける
汗と香水の香りが混ざると、思わぬ不快なニオイに変化してしまうことがあります。脇の下など、汗をかきやすい場所は避けてください。お風呂上がりなどの清潔で乾いた肌に付けるのが、最も香りの良さを引き出すコツです。
ふんわり香らせる上級テクニック(女性向け含む)
基本をマスターしたら、次はより柔らかく、全身から香っているかのように見せるテクニックです。
- 空間にスプレーして、その下をくぐる
「香りのシャワー」や「セントヘイロー」とも呼ばれる方法です。自分の頭上に1プッシュし、その霧の中をくぐるように纏います。香りの粒子が全身にふんわりと均一に付着し、非常にナチュラルで優しい印象になります。 - 髪の毛に香らせる
髪に直接スプレーすると、アルコールで髪を傷める可能性があるのでNGです。ブラシやコームに1プッシュしてから髪をとかすと、動くたびに髪からほのかな香りが漂い、とてもエレガントです。 - スカートやコートの裾に忍ばせる
歩くたびに、裾の揺れに合わせて香りが優しく立ち上ります。肌に直接付けるよりも穏やかに香るので、食事の席などにもおすすめです。シミにならないよう、目立たない裏側などに付けるようにしましょう。
EDT以外の種類も知りたい方へ|代表的な香水の種類一覧


これまでEDT(オードトワレ)とEDP(オードパルファム)を中心に解説してきましたが、香水の世界にはさらに奥深い種類が存在します。香りのピラミッドで頂点に立つ最も贅沢なものと、最も気軽に楽しめるもの。
この両極端を知ることで、あなたが香水に何を求めているのかが、より明確になるはずです。
パルファム(P):最も贅沢な香り
パルファム(Parfum)は、最も高い賦香率(香料の濃度)を誇る、まさに「香水の王様」です。しばしば「エクストレ・ドゥ・パルファム」とも呼ばれます。
賦香率は15〜30%と非常に高く、香りの持続時間も7〜12時間、あるいはそれ以上続くこともあります。香料の割合が多いため、香りの変化が非常に豊かで、トップノートからラストノートまで、まるで一つの物語のように奥深い移ろいを楽しめるのが最大の魅力です。
高価で少量しか生産されないものが多く、特別な日のために、香りを「纏う」という意識で使われる芸術品のような存在です。付け方もスプレーではなく、1滴を肌の脈打つ場所に「点」で乗せるように使います。
オーデコロン(EDC):最も軽やかな香り
パルファムとは対極に位置するのが、オーデコロン(Eau de Cologne)です。賦香率は2〜5%と最も低く、持続時間も1〜2時間程度と非常に穏やかです。
香水として「香らせる」ことよりも、気分をリフレッシュさせることを目的として生まれました。お風呂上がりのボディミストや、スポーツの後、就寝前など、気軽な気分転換に最適です。
ライトで爽やかな柑橘系の香りが多く、持続時間が短いため、香りが後に残る心配もありません。香水初心者の方が、まず香りそのものに慣れるために試してみるのも良いでしょう。シャワーを浴びるような感覚で、気軽に楽しめるのがオーデコロンの魅力です。
EDTとEDPの違いを理解し、自分らしい香水を選ぼう
この記事では「香水 EDTとは」何かという疑問に答え、その特徴から付け方、他の種類との違いまでを網羅的に解説しました。EDTは「オードトワレ」の略で、賦香率5〜10%、持続時間3〜4時間という、軽やかで日常使いに最適な香水です。
強すぎないためオフィスや学校にも自然に馴染み、香水初心者の方が最初に選ぶ一本として非常に適しています。より濃度が高く、長く深く香るEDP(オードパルファム)が特別な日に向いているのに対し、EDTは気分転換に付け直すといった楽しみ方もできる万能性が魅力です。
その香りを最大限に活かすには、手首やうなじといった体温の高い場所に1〜2プッシュし、決してこすらずに肌へ馴染ませることが重要です。最も贅沢なパルファムから最も気軽なオーデコロンまで、香水の世界は奥深いですが、まずはEDTの基本を理解することが、TPOに合わせた賢い香水選びの確かな第一歩となるでしょう。